再就職手当という制度をご存知でしょうか。
これは失業手当をもらって就職活動をしている人が就職できた場合に、お祝い一時金のような形でお金を頂ける制度です。
失業手当とおなじく厚生労働省が管轄していて、雇用保険から支払われる正式なお国の制度なので、ぜひご利用ください。
ぼく、自己都合で会社辞めるしフリーランスになるつもりなんだけど・・
再就職手当ってぼくでも貰えるのかな?
筆者も全く同じ疑問を持っていました。
大丈夫です!
自己都合でもフリーランスでも、再就職手当は受給できます。
実際に私が受給しました!
ただし、申し込むためには注意すべきポイントがあります。
この記事では、
について纏めました。
手順としては、次の通りです。
- まず、失業手当支給対象者となる
- 次に、待機期間を経る
- フリーランスとして開業届を出すなど事業を開始する
- 事業と認められ、再就職手当を需給する
では、詳しい手続きをみていきましょう!
フリーランスもOK?再就職手当の対象者になるには
再就職手当を受け取るには、まず失業手当を支給される対象者になる必要があります。
失業手当の対象者が就職した場合のお祝い金ですからね。
これは自己都合退職でも、その後フリーランスになるつもりであっても、支給の対象者にはなれますのでご安心ください。
ここで注意!
どんなにモチベーションが高くても、「退職と共にフリーランスになる!」と宣言するのは一旦ガマンして、胸にとどめておきましょう。
まずはハローワークでの求職者になる必要があるからです。
失業手当の支給対象者になる条件3つ
失業手当の支給対象者となる条件は、次の3つです。
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
- 失業していること
- 離職日までの2年間のうち、12カ月は雇用保険料を支払っていること
この②失業している状態にはさらに条件があります。
- 就職する意思といつでも就職できる能力があること
- それでも就業につけていないこと
- 積極的に求職活動をおこなっていること
病気やケガ、妊娠出産育児、家事に専念、退職してしばらく休養などの方は”いつでも就職できる”とみなされないため、失業状態にならないのでご注意ください。
いっぽう、退職した方でフリーランスとして働くつもりの方が、「フリーランスになる」という意思表示を早々にしてしまうと、”それでも就業につけていないこと”に抵触してしまうので注意が必要です。あくまでフリーランスになる宣言は胸にしまって、求職者として手続きをしましょう。
では、再就職手当受給の条件とは?
失業手当の支給対象者になったうえで、再就職手当を受けるための条件もあるのですが、ここでは自己都合退職+フリーランスの場合に関わる部分をご紹介します。
- 失業手当を貰える期間(=支給残日数)が、1/3以上残っていること
- 失業手当の受給を手続きした日から、7日の待機期間+1カ月以上経ってから開業していること
- 過去3年、再就職手当を受け取っていないこと
二つ目の7日+1カ月以降に・・というのが大事なポイントになります。
詳しくは後述しますので、先ずは失業手当受給の手続きについて纏めてしましましょう。
ちょっと複雑ですが、ポイントを押さえていけば大丈夫!
順に説明しますね
失業手当の対象者となる手続き
失業手当支給対象者になるための手続きは、下記の手順です。
- 離職=退職する
- ハローワークに求職の申し込みをおこなう
- 雇用保険の手続きをおこなう
- 失業手当の受給資格を受ける
- 保険受給者への説明会に参加する
- 雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取る
こちらの記事で詳しくまとめています。
まずはこちらの手続きに従って、失業手当支給対象者になりましょう。記事にあるとおり、対象者になると受給資格決定日というのが決まります。
受給資格決定日が決まったら、いよいよ
再就職手当を受け取るための手続きについて、確認しましょう!
再就職手当支給までの手順
受給資格を受けてから、まずは7日間失業状態でいること。
受給資格決定日が決まったら、いきなり注意です!
受給資格決定日から7日間の失業状態=待機(たいき)期間を経る必要があります。
失業状態について、あらためて確認しましょう。
- 就職する意思といつでも就職できる能力があること
- それでも就業につけていないこと
- 積極的に求職活動をおこなっていること
なお、既にブログなどで副収入がある場合でも、一定金額未満であれば受給条件取得の際に申請することで問題は無いそうです。
待期期間後、1カ月の間に開業をしないこと
7日間待機したあと、さらに注意です。
もう1カ月間、失業状態を続けてください!
なのでフリーランスとして仕事する場合は、この1カ月間を越えた後に業務を開始する必要があります。事務所を借りたり開業届を出すなど業務に関わることもNGです!
この1カ月はハローワークでの求職活動をしながら、業務と思われない程度の勉強などの準備を進めましょう。
なお、求職活動の範囲については、上記失業手当受給資格取得までの記事のこちらにまとめています。
フリーランスとして活動開始!の前に・・
1カ月が経過したら、お待たせしました。いよいよフリーランスとして活動を開始しましょう!
でもその前に、ハローワークの担当の方に相談することをおすすめします。
理由は、フリーランスの場合の再就職手当の受給条件にこの難しいポイントがあるからです。
1年を超えて勤務することが確実であること
この「1年を超えて勤務する」ということの証明が、フリーランスになったばかりでは難しいんです。普通の会社に就職した場合は、採用証明書を貰ったり就職先の会社に1年以上雇用する旨を書いてもらえるのですが、フリーランスはそれができません。
しかも再就職手当の申請は、開業届を出した1カ月以内に行うという制限もあるのです!
ですのでスケジュール感を持って正しい準備をするためには、担当の方に直接確認させてもらうのが一番良いです。
業務開始前にハローワークの方に相談しましょう。どのような形で事業を始めて、業務のなかでどんな書類を用意すればよいかなど、確認させてもらいましょう。
私が地元のハローワークで相談させていただいたところ、下記2点が必要とのことです。
- 開業届を提出して事業化を証明すること
- 実業として仕事を行っていることがわかる書面(クライアントとのやり取りなど)を提出すること
いずれも書面(印刷して提出できる状態)でハローワークに持って行って判断してもらうことになりそうです。
ただこれも、相談させていただいた担当者の方も判断がしきれずに、後方のベテランの方に確認されていました。ローカルな判断になる可能性もあります。繰り返しになりますが、やはり最寄りのハローワークで直接確認するのが良いと思います。
再就職手当を申請する
いよいよ、再就職手当を申請します。
ハローワークに開業したことを報告して条件がそろっていれば、再就職手当支給申請書を渡されますので、この提出によって申請しましょう。
ここでポイントとしては、開業届を提出した翌日から1カ月以内に提出すること。意外と時間が無いので、忘れないように提出しましょう。
この辺りは事前に担当の方に確認していれば、準備の漏れは防げますね!
申請が通れば、振り込まれます
申請が通るまでは1カ月程度かかると言われているようです。
申請が通ると、就業促進手当支給決定通知書が送られてきて、それから1週間程度で振り込まれるそうです。
以上が手続きとなります!
まとめ
自己都合で退社してフリーランスになるとしても、再就職手当を頂くことはできます。ただしちょっと複雑な注意点がありますので、基本的にはハローワークで確認しましょう。
改めて、手順をまとめます。
- 先ず、失業手当支給対象者となる
- 次に、待機期間を経る
- フリーランスとして開業届を出すなど事業を開始する
- 事業と認められ、再就職手当を需給する
ポイントもまとめました。
- 失業手当支給対象者となる手順について
- 7日間の待機期間のあと、1カ月は開業しないで就職活動をおこなう
- 業務開始前にハローワークに相談する
- ハローワークに再就職手当を申請
雇用保険は私たちが毎月の給料から支払っていたものであり、正しく手続きを踏めば受け取ることが出来ます。ハローワークの職員の方も、「できるだけ支払いたくはねぇ!」ということは無く、しっかり相談に乗ってくれるはずです。
フリーランスになると、前年の所得にかかる所得税をドンと請求されるなど、大きな出費が必要になることもあります。ぜひこの手当を活用なさってみてくださいね!
公式のリーフレットも公開されていますので、合わせて参照してみてください。